新製品を紹介する英語のスピード技術翻訳!5つのポイント

かおり
かおり

こんにちは!

通訳・翻訳・通訳案内士のフリーランス、かおりです!

(かおりのプロフィールはこちらからご覧ください)

本日は以下の疑問にお答えする方法をお伝えいたします。

質問者
質問者

・IT関連の技術翻訳は調べものが多くて時間がかかる…

・英語で技術翻訳の依頼がきたよ。私にできるかな…?

「英語の翻訳を続けていると、専門ではない技術翻訳の依頼がきた…」

このような経験をお持ちの方はいらっしゃいませんか?

理系分野にもさまざまな翻訳のタイプがあり、ロボティクス、コンピューターサイエンス、テレコミュニケーション、機械工学、化学、エコロジー、スペースサイエンスなど内容は多岐に渡ります。

もともと理系のバックグラウンドを持たない翻訳者として、丸腰で大量の翻訳文書に臨むのは無謀すぎます。

本記事では、理系のバックグランドを持たなくても、英語でテクノロジー分野の翻訳を効率的に行える5つのポイントをご紹介したいと思います。

本記事の対象者:英日・日英の技術翻訳でスピードと効率性を課題としている翻訳者の方々

翻訳者が技術翻訳で困る原因とは?

翻訳で困る

技術翻訳で時間がかかり、時間をかけたにもかかわらず低品質の翻訳が納品されるというのは珍しい話ではありません。

翻訳者でいるうちには「これだけやったんだ。やることはやった」感がありますが、検品者の立場になると「いろいろ困っていたのかな」と考えてしまうような訳出が散見されることもあります。

このように困りながらもなんとか納品する翻訳者の特徴には共通点があります。

語彙力がない

翻訳者の間では専門が異なるので、すべての専門用語をカバーするのは現実的と言えません。ただ、英字新聞のテクノロジー記事を読んである程度理解できるだけの語彙力は必要です。

もちろん業務中に辞書や翻訳データベースも使用します。しかし、辞書や翻訳データベースを使う目的のほとんどは、「過去の納品物」との間のズレをなくすためです。たとえばSmartcatのようなデータベースは用語集の機能を備えており、過去の納品物から訳出を例示してくれます。

作業が分からない語彙を調べる動きに偏ると、時間がかかるのは必至でしょう。翻訳には常に締切とスピードが求められるため、基本的な語彙力を身に付けておくのは、翻訳者の条件と言えます。

読者(ペルソナ)を想定していない

翻訳業務の目的が「to doの完了」に偏り、「読者がこの文章を読んでどのような気持ちになるのか?」という配慮が欠けると、中途半端な成果品となってしまいます。

翻訳者の役割とは何でしょうか。クライアントが文章を通して届けたい情報を、読者までしっかりと伝えることです。

たとえばパソコンのカタログを翻訳する場合、読み手とは誰になるでしょうか。ほとんどがITの専門家というわけではありません。一般的な主婦や学生の方々も買い手としてはいらっしゃいます。そのような読み手が読みやすい文章へ翻訳するために何ができるのかを考えるのが、翻訳者の責務です。

意訳できない

語彙が不足し、読者をイメージできなくなると意訳もできなくなります。

IT分野に限らず、日英・英日翻訳では何度も意訳に対応しなければいけません。例えば、ログイン画面に翻訳情報を流し込むUI(User Interface)翻訳やマーケティング翻訳を担当すると、読み手の感情をイメージしながら訳文を考える必要があります。

機械翻訳で訳出された文面が明らかにおかしくなることがあるので、その場合は意訳での対応です。これは現状では人間にしかできない仕事だと思います。

意訳をするためには全体像を把握しなければいけません。そこで前述の語彙力とイメージ力が必要になるわけです。

to doだけしか見えていない

翻訳者の仕事は「担当業務の翻訳」です。しかし目の前のto doしか見えず、納品後の手続きを把握していない場合、検品の段階でほぼ100%の確率で戻しがきます。

ざっくりと申し上げると、翻訳者が納品した後に検品者のチェックを経て、クライアントへ成果物として納品します。

もちろんクライアントも内容をチェックしますが、クライアントに手間をかける翻訳者は「相手の時間を奪っている」と批判されてしまうでしょう。

階層的に翻訳者は手を動かす担当者ではありますが、上にいる検品者の目線をイメージすると全体の景色が見えてきます。その訓練を繰り返していくと、クライアントの顔やニーズを徐々に把握できるようになります。

日本語に引きずられる

日英翻訳の案件でよくみられるのが「日本語に引きずられた英文」です。

直訳をしているわけでもないのに、日本語感が抜けきらない文章になってしまうことがあります。その原因は周囲の情報を参照せず、ゼロベースで大意を把握するワークフローにあります。このループに一度ハマると、しっくりこない翻訳になってしまったけど、時間がきたからとりあえず提出しよう!という結果になるわけです。

後述しますが、対応策としては「全体像をつかむ」「過去の製品情報を調べる」「類語検索」が挙げられます。

ゼロベースで翻訳に臨むのは丸腰で戦場に向かうのと同じなので、情報を可能な限り集めてから業務をはじめると、適切な訳出に近づけます。

スピード技術翻訳を成功させる5つのポイント

技術翻訳を成功させるポイント

ここで技術翻訳を成功させる5つのポイントをご紹介いたします。

  1. 読み手(ペルソナ)の顔を定義する
  2. 原文の全体像をつかむ
  3. 過去の製品情報を調べる(ない場合は競合他社の製品情報)
  4. 専門用語の正誤確認
  5. 訳出単語の類語で検索する

読み手(ペルソナ)を定義する

ブログのライティング教本でも念頭に置かれるポイントが、読み手となる「ペルソナの定義」です。

翻訳にも同様の基本原則が存在します。文書には読者が存在するため、手を動かしてただ翻訳すればいいというわけではないからです。

質問者
質問者

一口で「ペルソナ」と言ってもいろいろなパターンが考えられるよね?

具体的にはどうやって考えればいいの?

たとえば、外資系メーカーが高スペックのノートPCを日本で売り込みたいので、カタログ翻訳の依頼をしてきました。この場合の読み手とは、どのような人物になるでしょうか?

ざっくりとペルソナの例を考えてみます。

<ペルソナの例>

  • 年代と性別:20代前半の男性
  • 経歴:文系新卒で商社に入社
  • ノートPCのニーズ:営業で外出が多く、出先で業務を行うニーズ。
  • カタログを手にした理由:軽くて高スペックのPCの情報が必要だから。

新卒のフレッシュな新入社員が営業担当になり、外出先でお客さんと折衝する姿をイメージできるでしょうか。

その男性が持ち運びに便利で、高性能となっているノートPCの情報を探していたらカタログに目が留まり、手に取って読みはじめるというストーリーです。

実際に見込み客は幅広いので一概には言えないのですが、上述のようにイメージを膨らませることで「誰に」「何を」伝えるのかという切り口を決められます

原文の全体像をつかむ

実際に翻訳をはじめる前に、全体をさらっと眺めると文章の強弱やポイントを含む全体の流れが見えるようになります。

質問者
質問者

でも読みにくい日本語の原文もあるよね?

文法構造がめちゃくちゃで何を書いてあるのかわからない時もあるし。

この場合はどうすればいいの?

日英翻訳の場合は稀に日本語が読みにくい文章に直面しますが、そこはポイントを切り取りながら文章を再構築しましょう。例えば動詞が連発して主語が曖昧となる長文の和文を目にすることがあれば、一つ一つの動詞が対応している主語・目的語を整理します。

この作業により、原文が伝えたいメッセージや文章構造の把握が可能です。

過去の製品情報を調べる(ない場合は競合他社の製品情報)

質問者
質問者

翻訳はできたけど、その内容が正しいかどうかはわからないよね?

何を参考にして検証したらいいのかな?

クライアント名と製品名が判明していれば、Googleで検索すると過去の製品情報がヒットします。そこで過去の情報を参考にしましょう。ものによっては模範解答のような文章もありますが、そのまま使ってもいいのでしょうか。

かおり
かおり

注意しなければいけないのは、過去にリリースされた情報でも誤訳の可能性があるというリスクです。

そのため、過去の情報をコピペするのではなく、あくまでも参考程度に留めながら正誤確認するのが望ましいです。

残念ながら、過去の製品情報にたどり着けなかった場合は、競合他社の製品情報を調べて関連情報を確認することになります。

専門用語の正誤確認

専門用語の正誤確認は、過去製品の情報とは区別します。

専門外となると容易な作業ではありませんが、「翻訳 困った 用語集」などの言葉を使ってインターネットで検索すれば、翻訳支援サイトがヒットします。

地道な作業になりますが、専門サイトで紹介されている用語集をうまく利用しながら正誤確認に努めましょう。

スピードを意識するのは大事ですが、誤訳だらけになると翻訳者としての信頼を失います。できる限り、専門用語がどのような機能をはたしているのかを掴みながら、正誤確認を徹底する作業も必要です。

訳出単語の類語で検索する

稀に訳出単語がしっくりこないパターンがあります。

その場合はすぐに「当該語彙+類語」で検索しましょう。英語の場合は「当該語彙+synonyms」です。

直接オンライン辞書で調べる場合は、日本語だとWeblio類語辞典、英語だとThesaurusですぐに調べられます。

行動して翻訳の実績を積み重ねよう

ここまで技術翻訳のノウハウについて確認してきました。

私はもともと翻訳者としてフリーランスの活動をはじめましたが、案件によっては検品も担当しています。

翻訳者と検品者を経験すると、見る景色が変わります。翻訳者として案件を担当すると目の前の作業に固執しがちだったのですが、検品者になると驚くほど視野が広がりました。

クライアントの顔、目指すべき成果物の品質、クライアントとの折衝などが見えるようになり、翻訳者として作業する時にもその経験を活かせるようになったわけです。

この経験から言える一番のポイントは「実際に行動に移すこと

たとえば翻訳者ネットワークのアメリアに入会すると、翻訳業務とスキルアップの情報を効率的に収集できます。

翻訳者ネットワーク「アメリア」のポイント

  1. 約300件の翻訳求人に応募できる(約3割は未経験者でも応募可)
  2. 仕事のカウンセリングを受けられる
  3. 翻訳者同士のネットワークを構築できる

翻訳の技術は、実績として残せたかという経験値で向上します。実践を通して勘を磨き続けることで案件単価が上がり、検品の依頼も受けるようになります。ぜひ積極的に行動し、翻訳案件に挑戦してみてください。

今後フリーランスの翻訳者・検品者として活動したい方々へ、この記事がお役に立つとうれしく思います。

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